育成年代に携わるコーチ

今、では無く、将来、の為のコーチングになっているのかどうか。

夏冬通して、少年少女のコーチを行う立場として、
常に気おつけている事。

「コーチはその選手の未来に触れている」
「先のカテゴリへの預かり物」

その子の未来にプラスになるか。
自己満足的な今の勝ちに拘っていないか。
サッカーのコーチ資格を取得し、色々な場面で関わったコーチの皆さんから教えられたこと。

コーチングメソッドが確立されているJFAのこの考え方は、
スキーコーチ含め、育成年代の全てのスポーツのコーチでも同じであるべきと思う。

シーズンも中盤に入り、上位大会の進出の可能性も見え隠れし始めた今だからこそ、
コーチは原点に返らなければいけない。
上位進出だけに心血を注ぎ過ぎ、大切な事を忘れてしまう事の無い様に。

ウォーミングアップ、クールダウンをきちんと行っているか
ゲートトレーニングばっかりになっていないか
速い選手向けだけのメニューになっていないか

中でも偏った運動をすることの多いスキーに対する身体のケアは最も重要。
スキーの怪我で多い、靭帯損傷や腰痛などは、直接的にその部位に
負荷が掛かって発生するのではなく、周辺の部位の柔軟性の欠如によって
引き起こされている可能性が高い。
育成年代なら、スキーだってオスグットにも踵痛にもなる。
夏季の場合と同様に、四頭筋の柔軟性確保指示はコーチとして当然。
ブーツを履く前に行い。履いてからでも又割り等はゲートを滑る度に行う。
ゲートの順番待ちが有る場面等、特にこの指示を心がけたい。


育成年代はメンタル部分も重要。
チームの中で仲間はずれや、いじめが起きていないか。
周りに言われて、いやいや練習に来ていないか。

普段の練習が技術的な部分だけに偏ったコーチングになっていると、
この辺りは気がつかない。
大会になると緊張等でいつもの滑りができなくなってしまう。
「普段の練習通りに行けよ」っていくら言っても
普段の練習が心技が一体となっていなければ、
「いつも」 のイメージはその子には存在しない。

クダラナイ冗談一つでも、緊張を和らげ練習の楽しさを生み出せたら、
スキーがもっと好きになり、滑る本数も増えて結果的に上手くもなってくる。
学校の先生程には出来ないが、練習では必ず全員に声を掛け、
チームの状況を把握すると共に、出来るだけ褒める事。

技術だけではコーチは務まらない。

育成年代の課題をきちんと把握したコーチングメソッドが、
スキー界にも浸透して行く事を強く望みます。

DSCN7159.jpg


コメントする

このブログ記事について

このページは、スキーレーサー兼サッカーコーチ兼DBAが2013年2月 5日 10:01に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「栂池CB」です。

次のブログ記事は「スキーの走りと逆手」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。