昨年の覇者という立場と、今期は追い上げられ、
常に注目される立場を実感してのSANシリーズ第2戦。
前日の雨から若干の冷え込みによる表面硬化は、
大量のジャガイモが転がる難しいバーン状況となる。
この大会は、男子が先に行われるので、
待たされる時間が更に大きなプレッシャーを与えていた。
「もー早く滑りたい」
"滑りたくない" ではないので、大丈夫だと思ってみていたが、
今までこんなに緊張した事無い という言葉も聞こえてきた。
WAXは、いつもの黒白だが、何を塗っても滑りそうな表面が硬化した
固めのバーンと沢山のスリップクルーの存在で、
結果的には昨年とは異なり、出走順位は関係なく上位が狙えるコンディションとなったようだ。
スタート前恒例の背中に一発気合を入れると、
ハウス内で、ぶつぶつ呟く。「自分を信じろ!自分を信じろ!」
スタート係の人が、大丈夫かこの選手を、顔を覗き込んだらしい。
マハル6番スタート。
昨年のジュニオリで行われた、スタート直後のSLパートをショートポールにする対応。
この年代のフィジカルが足りない選手に、リズムを作る効果と、無用な逆手を防止する
良い取り組み。
ここで、きちんと脛でポールを捕らえ、短いエッジングと早い方向付けを行って、
GSのパートに飛び込む。
ここから先はスタートからは見えない。
「ゴール前のストレートをどうしようかと思うけど、今日も多分叩かない!」
「あのストレートは一方の手で叩いて行けば」とアドバイスした。
結果、優勝。
帰ってから家内の撮ったビデオを見れたので、皆で鑑賞会。
本当に1本も叩かず、最後のストレートも順手ですり抜けている。
なにより、GSパートの捕らえの早さとエッジングの短さが雪煙をみても明らかだった。
逆手は金曜日のナイターCBでは根こそぎ行ってたが、
順手の走りを上回り、安定したレベルなるまでは、
大きな大会は使わないのかもしれない。
ある順位以上は逆手じゃないと無理だと思っていたが、
まだまだ、順手で上げていける要素は沢山ある。
無意味に逆手を指導するコーチもいるようだが、
上体が伸び内足に乗ってしまって、それでスキーの走りが無くなってしまったら、
何も良い事は無い。
やはり、ターン前半外足加重でターンを仕上げ、足元でゲートを倒して
手でそれを払うイメージ。それが、順手じゃ内側すぎたら逆手になるだけ。
"足元から根こそぎ" が先だ。
この黒の脛のレガースの外側が真っ白になるほど練習しよう。
これで、ジュニオリは、ほぼリーチが掛かった。
次からSLが2つ続くが、滑りに自信を取り戻したあいつには、
怪我を防止するため、ストレッチやリフティング等の雪上以外の
時間をきっちり作るように言おうと思う。
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