強さを手に入れるより、弱さを超えたい! (いきものがかり)
昨年の大会で2位となり、最高学年で向かえたNHK杯。
このシーズンが始まる時から、既にこの大会が及ぼす重圧に耐えてきたのだろう。
スタート前は、何度も吐き気が込み上げたそうだ。
長男の大会をサポートしてから通い始めたNHK杯。
今年は、コンディション的には最悪だった。
まず、最大級の寒波。
止み間を見せない前日夜からからの大雪。
強烈な突風が地吹雪を起こしホワイトアウト。
湿った雪を押し固めた野沢独時の雪面状況。
夏道を越える毎に雪面状況は悪化する。
こんなバーンコンディションにも関わらず、
折角のシリーズポイント上位でのドロー結果は最下位-1。
なんとか、この重圧を撥ね退ける一筋の光が欲しい。
自分の弱さを超える。
結局、自分でヤルシカナイ。
いつも以上の速さで、インスペクションを終える。
昨年も滑っているコースだが、今年は夏道の変化がきちんとあり、
コース的にはそこだけが注意点か。
自分のスタートまで前走以外の滑りは見ないで集中する。
2013長野県小学生アルペン選手権大会 マハル15番スタート。
2旗門目まで漕ぎ、そこからいつものマハルサーカス開始。
ターン前半を長くするために、思いっきり谷に身体を落として行く。
4旗門目、左足外足トップが噛まない。更に内傾角が深まり、右手が雪面に付く
と同時に、雪面コンタクトが回復し、
何事も無かったかのように次のゲートにすっ飛んでいく。
ひゅー。
1本目の夏道あたりで雪煙の中に消えていった。
あれだけ、攻めて滑ったら、失敗しても悔いは無いだろう。
昨年にも増して衝撃的な滑り。
カンダハー西コースの特徴でもある最後の壁は、最後の長い右足外足への繋ぎ方で、
その全ては決まってしまう。
ここを守って入るのか、急斜面の強気のラインを読みきって突っ込むのか。
下からみていた長男は、マハルのこの入り方で勝った事を確信したという。
誰より、速い急斜面への侵入速度だったらしい。
結果、優勝。
小学生アルペンレーサーの誰もが目指すNHK杯。
自分の弱さを超える事が、マハルがスタート前唯一つ残していた宿題。
プレッシャーと一言で言えるような簡単な物では無いこと。
「えーい、思いっきり動いてやれ」
そんな単純な、でも明確な事でこれを処理して勝ち取ったタイトル。
過去の偉大な選手たちと同じカップにペナントを掛けられる事に感謝し、
次の頂を目指して、
ゴー。
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